青山緑水から学ぶこと

今回のお茶のお稽古で掛けていただいたお軸は、
「青山緑水(せいざんりょくすい)」。
青々と茂る山と、澄み切った緑豊かな水の流れ。
その美しい自然の景色を表す言葉です。
ただ、この言葉は単に自然の風景を表しているだけではなく、禅の教えとして、もっと深い意味を持っています。
青い山はどっしりと動かず、緑の水は絶えず流れていく。
動かないものと、動き続けるもの。
その「静」と「動」が自然の中で調和している姿は、私たち人間もまた、大きな自然の中で生かされている存在なのだということを教えてくれます。
日々の生活や仕事の中では、つい目の前の忙しさに追われてしまいます。
予定、判断、数字、責任。
いろいろなことに気を取られ、自分自身の心がどこか落ち着かなくなることもあります。
けれど、本来人は自然の中に身を置き、季節の移ろいや、風の音、水の流れ、木々の表情に心を寄せることで、少しずつ整っていくものなのかもしれません。
お茶の稽古では、こうした禅語や季節のしつらえから、毎回多くの気づきをいただきます。
お点前の所作だけでなく、掛け軸の言葉、花、道具、空間の空気感。
その一つひとつが、心の在り方を静かに問いかけてくれます。
「青山緑水」という言葉から感じたのは、自然と調和して生きることの大切さです。
建築の仕事においても、これはとても大切な考え方だと思います。
建物だけを美しくつくるのではなく、その土地の光や風、庭の緑、周囲の景色とどうつながるか。
人がそこで心穏やかに過ごせるか。
私たちが目指す住まいづくりにも、この「青山緑水」の精神は通じるものがあります。
自然を無理に支配するのではなく、自然と寄り添い、調和しながら暮らす。
そんな住まいこそ、本当に豊かな住まいなのだと改めて感じました。
お茶の稽古を通して、また一つ大切なことを学ばせていただきました。
忙しい日々の中でも、心を澄ませ、自然の声に耳を傾ける余白を忘れずにいたいと思います。
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