茶道「花月」の稽古で感じた、住まいづくりとの共通点

先日、表千家のお稽古で「花月(かげつ)」に取り組む機会がありました。
花月とは、数人で行う独特の形式で、札を引いてその場で役割が決まり、即興的に点前を行っていくお稽古です。一見すると遊びのようにも見えるかもしれませんが、実際には茶室全体の流れを読み取り、他の人の所作を見極め、瞬時に自分の動きを決めるという、高度な集中力と柔軟性が求められる、非常に奥深いものです。
この花月を体験して、ふと感じたのは、私たちの住まいづくりの仕事とどこか通じるものがあるということでした。
私は、和モダンをコンセプトとした注文住宅を手がける工務店を営んでいます。家づくりは、一つのプランをもとに、設計士、大工、現場監督、職人、そしてお客様という多くの人々の想いと技術が交差する「総合芸術」のようなものです。
完成された建物の中には、明確な設計意図だけでなく、現場での即興的な判断や微調整が数多く積み重なっています。花月における所作のように、一つひとつの動きや判断が全体に調和し、結果として美しい空間になる。そのプロセスにおいては、まさに“流れを読む力”や“場の空気を察する力”が不可欠です。
また、茶道における「和敬清寂」の精神は、住まいづくりにおいても非常に大切だと感じています。お互いを敬い、静かで心地よい空間を築いていくという姿勢は、住まいの設計にも自然と表れてくるものです。
お稽古を通じて、改めて日本文化の奥深さと、それを現代の暮らしにどう活かしていけるかという問いに向き合う時間となりました。
これからも、こうした学びを大切にしながら、「家が一番落ち着く場所」とお客様に感じていただけるような住まいづくりを、丁寧に続けていきたいと思います。
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